調査研究等

4.市場単価方式の導入の意義

公共建築工事の積算に、市場単価方式を導入することによって、以下のような効果が期待できます。

1.積算の機動性が確保できる

従来から、材料費については、第三者物価調査機関による調査結果として刊行物に公表されている市場での取引価格を積算に用いていました。この手法を拡大し、一定の条件のもとに市場単価を工事の積算価格に直接適用することにより、平均的な施工実態の変化や社会経済状況の変化に伴う工事価格の変動に対し、速やかに予定価格に反映させることができます。

2.市場における各種の価格決定要因をより円滑に予定価格に反映できる

従来からの価格決定要因の変化や、新たな価格決定要因の出現に対して、現実の市場での価格決定プロセス、すなわち市場原理を取込むことによって、より実態に即した積算が可能となります。

3.元請・下請間の取引価格の適正化が図られる

「市場単価方式」では、元請業者・専門工事業者間での取引市場における実勢価格を調査し、その結果を「市場単価」として公表することにより、積算価格の透明性が確保されるとともに、元請・下請間の取引価格の適正化が期待されます。

4.発注者側の積算業務効率化・省力化に寄与できる

「市場単価方式」の採用工種については、歩掛を用いた積上げ計算が不用になるため、発注者側の積算業務の効率化・省力化につながることとなり、ひいては、コスト縮減を図ることができます。

5.新技術・新工法について積算対応の円滑化が図られる

歩掛が整備されていない新技術・新工法についても市場価格を把握することによって積算への円滑な導入が可能となります。