その他

事業継続計画

1.はじめに

事業継続計画(BCP)とは、災害等の緊急時においても中核となる事業の継続あるいは早期復旧を可能とするために平常時に行なうべき活動や緊急時における方法・手段などを取り決めておく計画のことです。近年、国や各企業においてその重要性が認識され計画策定が進められてきています。コスト研においても災害等の緊急時に業務の停止によるお客様への影響を最小限に抑えるために事業継続計画を策定しております。策定に当たっては検討対象を影響の大きいものに絞り、確実に実行できる計画にするとともにマニュアルの整備や訓練の実施により定着を図ることとしています。以下、計画の概要について紹介します。

2.検討対象とする災害等の事象

事業の継続に影響を与える事象としては大規模地震、台風、水害、火災、広域テロ、サイバーテロ、大規模感染症などが考えられますが、表-1に示すとおり事業への影響の大きさと想定される復旧期間の観点から大規模地震、火災と、入居しているビルは地下に電気室があることから水害を検討対象としました。

表-1想定事象
原因事象被害想定結果事象復旧想定評価
大規模地震東京湾北部地震M7.3震度6強施設被害少施設影響が大きく検討対象とする
電力大規模停電電力仮復旧7日
通信通信途絶通信輻輳10日
台風交通停止職員出勤困難翌日回復影響少
水害電気室の水没施設施設影響が大きく検討対象とする
電力館内停電電力仮復旧14日
通信通信不通通信電力と共通
火災全焼施設使用不能移転14日影響が大きく検討対象とする
5階焼失
電気室焼失館内停電電力仮復旧14日
広域テロインフラ停止施設被害なし施設影響は限定的と考えられる
電力大規模停電電力想定不能
通信通信途絶通信想定不能
サイバーテロLAN停止パソコン使用作業不能1~2日影響は限定的
大規模感染症多数が発病職員出勤困難想定不能出勤職員で対応可能

3.検討対象とする事業と復旧目標

コスト研で実施している主要な7事業を検討対象とし、当該事業が中断した場合の社会的影響を評価して復旧目標を設定しています。

7事業のうち営繕積算システムRIBCは公共発注機関にとっては予定価格の算定に必要なものであり、その積算関連業務を受注した設計・積算事務所にとっても同様です。検討対象事象の水害、火災はもとより大規模地震であっても被災地以外の地域では業務が継続しているためRIBC事業は早期の再開が必要になります。

RIBC以外の6事業はその中断の影響は相対的に少ないため、業務全体が再開可能と想定されるまでの14日間は許容範囲と考え、復旧目標を表-2のとおりとしました。

表-2事業の内容と復旧目標
事業名内容復旧目標
営繕積算システムRIBCシステムの提供及び問い合せ対応3日
建築コスト情報システムSIBC年度データの提供及び問合せ対応14日
受託研究公共機関等からの業務の受託
自主研究コスト研としての自主研究
講習会RIBC等の実務講習会等
広報機関誌の発行、ホームページの更新等
経理契約、出納等

4.事業継続の阻害要因と対策

事業継続に必要となる重要な要素(資源)が事象の発生から時間の経過とともにどのように推移するかを表-3のように想定し、復旧目標での再開が困難と推測される場合には必要な対策をとることとし、事前に準備を行ないます。

表-3各事象における重要な要素(資源)の時間的推移想定
事象重要要素時間推移
1日3日7日14日
大規模地震オフィス散乱だが入室可使用可使用可使用可
要員数名数名半数概ね出勤可
書類使用可使用可使用可使用可
電子データ停電停電使用可使用可
OA機材停電停電使用可使用可
電力停電停電復旧使用可
通信回線途絶途絶輻輳使用可
水害オフィス使用可使用可使用可使用可
要員概ね出勤可問題なし問題なし問題なし
書類使用可使用可使用可使用可
電子データ停電停電停電使用可
OA機材停電停電停電使用可
電力停電停電停電復旧
通信回線途絶途絶途絶使用可
火災(全焼)オフィス使用不可使用不可使用不可使用不可
要員問題なし問題なし問題なし問題なし
書類焼失焼失焼失焼失
電子データ焼失焼失焼失焼失
OA機材焼失焼失焼失焼失
電力焼失焼失焼失焼失
通信回線焼失焼失焼失焼失

対策の必要性の観点からするとRIBCの復旧目標3日では3事象とも事業再開困難であり何らかの対策が必要となります。RIBC以外の6事業では大規模地震、水害では2週間以内の事業再開が可能と考えられますが、火災に対しては何らかの対策が必要となります。

対策1大規模地震時のRIBC対応
RIBCの復旧目標である事象発生後3日では、電力、交通などのインフラの被害から被災地域での事業再開は困難と想定されます。このため、被災地域外での代替施設での事業再開を想定し、必要な準備を進めておく必要があります。代替施設の場所は地震被害の観点からは震源から100km程度以上離れている地域となり、RIBC再開に必要となる最小限の書類、データ、機材を現地に確保しておけば、3日目には要員が到達可能と考えられます。代替施設で業務を行なう場合はホームページ画面を切り替えてその旨をお知らせします。その後、東京での事業再開が可能となったところで代替施設は撤収します。
対策2火災及び水害時のRIBC対応
火災及び水害は被災範囲が限定されるので近傍にある協力会社と協定を締結し、どちらかが火災あるいは水害の被害を受けて事業継続に支障のある場合は、残った方のオフィスにRIBCに必要となる要素(資源)を集中して事業継続を図ることとしています。このため、必要最小限の書類及びデータはお互いに双方のオフィスに保管しています。
対策3火災時のRIBC以外の6事業対応
基本的に6事業に必要となるデータについては、物理的に離れた場所に保管することによりデータの焼失を免れ事業再開にあたって使用します。オフィスについては火災のダメージにより新たな場所に移転するか、補修後のオフィスを使用するか決定します。

事象発生後の対応に当たっては、指揮命令系統をあらかじめ明確にしておくことが必要です。特に勤務時間外の発生の場合は職場に参集できる職員が限られることからその体制で必要な措置が取れるようにしておくことが重要になります。このため、責任者が不在で連絡が取れない場合も想定し権限委任が出来るよう代理者をあらかじめ指名し、その順位も定めています。こうして、代替施設で業務を継続する場合でも事象発生後24時間以内に対応方針を決定し要員の派遣やホームページの切り替えが出来るよう準備をしています。

以上の事業継続計画に従い、災害等の場合にも業務中断による影響を出来るだけ小さくするように努めていきます。